『ブラックジャックによろしく』によろしく
第54話(がん医療編・13)「もう一人の斉藤」
2003/06/04
「第54話 もう一人の斉藤」
皆さん、こんにちは、えれです。
さて、第2巻の感想のほうで『スーパーマンになれない』という曲について少し
触れさせてもらっているんですが、突然気づいたんですね、まさにこれはそういう
お話なんだと。
スーパーマンにはなれない、ブラックジャックにはなれない、そういう男のお話。
それは個々人の資質の問題でもあり、より多くは状況の問題であり…痛切な皮肉が
込められた本当によいタイトルだと思います。
「ブラックジャック〜」というタイトルが冠されていても全く遜色はありません。
手塚治虫先生はそういう風に私たちに「共通語」を残していってくれたということ
なんですね。
それにしてもそんなにお気に召さないですかね、このタイトル。
いや、「ブラックジャック」という言葉を流用するなんて失礼だ、という意見が
あるということを聞いて少しお話させていただきました。
という訳で、今日も参りましょう(^^)。
さて、今回は大いなる矛盾点です。
庄司に押し切られるまま庄司と宇佐美は児玉さんに未承認薬ジェムザールを
使うことを提案する。患者に払いきれない額は個人として自分たちが負担する
ことまでを含めて。(この部分二人の経済状態についてはまだはっきりしないが
多分斉藤先生のような境遇ではないのだろう^_^;)
で、私には全く分からない、つまり、
・治療には保険のきく治療と保険のきかない治療がある。
・前者を保険診療、後者を自由診療と言う。
・国の認可を受けていない薬(未承認薬)の使用は自由診療である。
・一方保険診療と自由診療を同時に行う事を混合診療と言う。
・これらは歯医者では普通に行われているが実は歯科のみ「例外的に」
認められている診療行為である。
・つまり混合診療は違法行為である。
・結果混合診療を行おうとすれば他の保険のきくはずの治療の一切が
保険の適用が受けられなくなり(つまり全部自由診療)治療の全額が
患者の負担となる。
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何でだ?
何で?
なんで??
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そして庄司は児玉さんにガンの告知をする。
それをしないでは抗がん剤による治療はできないからだ。
「あなたの病気はがんです」
「だけど……生きたいと思いませんか……?」
この言葉は単行本第一巻で斉藤が金子老人に対して発した問いかけと
ほぼ同じである。
その時、金子老人には意識が無くこの問いへの答えは得られなかった。
今を生きている児玉さんは、この言葉にどう答えるのか。
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