『ブラックジャックによろしく』によろしく
第56話(がん医療編・15)「本当の望みは何だ?」

2003/06/18

「第56話 本当の望みは何だ?」

はー、急がなくっちゃ、急がなくっちゃ!
と、まるでアリスうさぎのような事を言って、今回もあとちょっとで
ギリギリでした、えれです。
気を取り直してどうぞ今回もおつきあい下さい。
あとごめん、現在に帰ってきたのは……本誌の表紙だけだった(^^;

自分の気持ちが見えない、というのは厄介なものですね。
本当は私は前回書けなかった(メモが後から見つかった(^^;)
「助けられる者が助けるという不思議」について書きたかったのですが、
今回まず一読して思ったのは、「おいおい、二人して彼女に寄りかかってどうするよー」
ということでした。
完璧に愚痴こぼしてます、この二人。
ガン患者に対する話題としては完全に配慮にかける内容です。
彼女があまりにつよく見えたから、こんな甘えも許されると思ってしまった
のでしょうか。
そういう意味じゃ彼女はあんたらより何倍も強いよ。
だけどね。

教授以下医局の面々に鼻たーかだかで検査結果を報告する庄司、
(この人ハンサムだから、何やっても目立っちゃうというのは少し困りもの
だろうな、とふと思いました。)
彼はこの後何が起きるか分かっていません。
そういう意味ではこの酒焼けの(ごめんなさい)教授は何もかも見越していた
のだろうと思うと少し悔しいですね。

「他の患者さんにも… こんなによくして下さるんですか…? 」

「もしかして… 私にだけこんなにして下さってるのかなって… 」


      決まってるじゃないですか。(理由なんか)


と声を大にして叫びたい気持ちを押さえて先進みましょう。
「なんだよあの言い方」。
どうして自分にだけ告知したのかと問われて庄司は納得ができない。
自分は、自分たちは間違っていなかった筈である。
返す宇佐美は無言である。
そうして、良好数を示していた検査結果の値は皆下がってしまう。
この辺り、「病は気から」という言葉を思い出しました。
モチベーション(心)の低下が身体に悪影響をもたらすという……、
つらいです。

そして、庄司に対する疑いがどんどん芽生えていく宇佐美。
もしかして庄司は彼女のことを純然たるモルモットとしかみていないのではないか…?
そういう不信。

もちろんそんなことはない(筈なんだ)けどね。

そうして二人は最も聞きたくなかった言葉「告知なんかされなきゃ良かった」
を聞くことになる。

でも実は私はこの児玉さんの言葉は、本心からでなく、上記で納得いく答えが
もらえなかったその裏返しの態度のように思うのですがどうでしょうか。
前ページで庄司にくさされた態度も、単なる患者のワガママではなく、
(それは死はこわいでしょうが……)「本当に知りたいこと、聞きたい言葉」
が聞けなかったからだと思うのですが、どうでしょう?

才気走るということと、自分の気持ちが見えないということは、
(この二つはセットになりやすいものなんだろうか?)
本当に、厄介なものです。

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