『ブラックジャックによろしく』によろしく
第57話(がん医療編・16)「見落とされるもの」

2003/06/24

「第57話 見落とされるもの」

こんにちは、えれです。
TVのほうの「BJ」が終わりましたね。
本当はちょっとドラマのほうにも触れてみたかったんだけど
できなかったなー。(多分)作り物と分かってる赤ちゃんに
頑張れとか言ってる自分は何なのか、とか(^^;

さて、感想とか評論とかいうのは怖いもので、気になるポイント
というのは今自分の人生で最も重大視していることだというのが
多いです。だから全部分かっちゃう。
相手が注意深いほど全部伝わっちゃう訳で、だから本当は
慎重にならなければならないのだけど、今の自分はあまり余計な
ことは気にしすぎないでいきたいと思います。
では今回もおつきあい下さい。

どうして人はつらい時抱きしめあってしまうのだろう?

私は何に驚いたのだろう。
呆然と空を見つめる、時間を区切られたその人の胸元が、
びっくりするほど豊かだったから?

「ずっとまじめに生きてきた… 悪い事なんて何もしてないと
思ってた……」

「まじめに生きていれば大丈夫…… 私はそれ以上何も考えて
なかったのかもしれない……」

この独白にはぎょっとしました。
ちょっと漫画としての表現がパターン化してきているとか
そういうことは置いといて、よくここまでの心理を引き出した
と思います。これを持ってこられるとは思っていませんでした。

自分さえ我慢していれば悪いことなんか何も起こらないと、
そう思い込んでいた遠い昔の自分がいます。
そうして、何をしてもしなくても避け得なかった事実に、
何かわからない大きなものからの裏切りを感じ、
途方に暮れて立ち尽くした自分を思い出します。
それらは全部見当はずれの悪態だったのですがね(^_^)。

このことに彼女が気づいた、ということが重要なのだと言い切って
しまうことは、死を引き換えに得るものとしては余りにも酷ですか?

そうして、宇佐美は児玉さんを抱きしめてしまう。
しっかり受け止めることの意味は、彼にとってそれだったから。
多分取り残される庄司に同情をしてしまうのは本当に、何でだろう。

医者の前に人間なのか、人間の前に医者なのか。

抱きしめあっているのに、どうしてこんなにつらい顔を彼はしているんだろう。

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