『ブラックジャックによろしく』によろしく
第58話(がん医療編・17)「二人称,三人称」

2003/07/02

「第58話 二人称,三人称」

しかし!しかしだよしかし!
毎回新しい号のページをめくる度に、こうも断頭台に乗るような気分になるのは
何故なのだ。
それに、お金、どうするのよ…。
(いきなりでスマン)
何かもう抜き差しならない感じ……いや、感じじゃなくてそうなんだけど、
この治療費の額には私も頭を抱えてしまいました。

あっ別冊宝島の「ブラックジャックによろしく PERFECT BOOK」買いましたよ〜
現代の医療事情の紹介に加え、詳細なキャラクター図鑑と精神科医名越康文先生
による主要キャラの精神分析が興味深かったです。どのキャラにも自分がいる?
ような?気が?して?……。
こちらのほうもいずれ読書の森にアップいたしたいと思いますのでお時間のある
かたはご覧になって下さい。
さて、こんにちは、えれです。
今日もまたあなたにおつきあい頂くつもりです。
(今回ちょっと趣向を変えた書き方をしています)

・コンビニ袋の中は

いっぱい愛がつまってるなと思いました。
内容にはびっくりしましたが(いや、こういうの一人暮らしにはうれしいし、
食べちゃいけないものがあるのか、本当に何を買ったらいいのか分からないせい
なのかわからないけど…多分本当にわからないんでしょうね^_^;)
そしてそんな無骨さを微笑んで受け入れる女性の心。
今回のタイトルバックは本当によいですね。
以前、皆川ちゃんの手料理(をめぐる情景)について随分けなしてしまった事を
思うとあれなんだけど、やっぱり素敵なシーンだと思ってしまった。

・”あなた”か”彼女”か

この作品は視点が患者よりで(医者であっても患者の目線からの医者…となる)
本来の医者の視点からは描かれていない、という指摘を別の場所で読みました。
確かにそうかもしれないな、と思いました。
宇佐美先生の行動は患者(一般人)にとっては理想の部分もありますが
医師が常にこういったものを秘めている、と考えるのは早計なのでしょう。
しかし、それをふみこえてこちら側に来て欲しい、というのがすべての患者に
共通の願いなのかもしれませんね。

医者が本分を越えないのは(そうなっているというのが前提で)
「一人の患者を特別視することが他の患者の不利益を生む」という意味もあれば、
医師本人の身と心を守る、という意味もあると思うんです。
その為にはどうしたらいいのかなって少し考えました。
まぁこれはちょっと脱線ですけどね(^_^)。

・告白

児玉さんには「”告知”をするならそれ(患者には公平な態度で接すること)は違う」
と話した宇佐美先生ですが、庄司には自分の想いを正直に表明します。

(ところで私は 第49話と50話を読んでいないのですが、(現在の)庄司と
赤城カオリには体の関わりがあるのかなって思いました。もしそうならそういう
ことを面に出さないで振る舞えるだけの器量があるってことで、元からなのか
そうなったのかは知りませんが、つくづく何か気の毒なひと、損というかね、
そういう風に思いました。まぁ、これは私の勝手な想像だし、生き方は個人的な
面も含めて本当に人それぞれですけどね。)

・234万5千円

たったひと月で、児玉さんの支払える額の限界が来た。
もう闘わなくてもいいのかと問いかける彼女に庄司は不足分の治療費を宇佐美と
自分とで共同で負担することを提案する。
彼女には他に生きていく方法がないのである。

一重まぶたのきれいな瞳からこぼれるなみだ。

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