『ブラックジャックによろしく』によろしく
第64話(がん医療編・23)「交渉(ネゴシエーション)」

2003/08/24

皆さんお元気ですか?えれです(^^)
さて、毎回わたしはマンガ読むと読みながらぶつぶつと悪口を言っているため
(そんなに言ってる気もしないんだが、なんかかなり色々言っているらしい)
評価が厳しい〜と言われてしまいました。

それで一応勉強のためと称して、面白い医療漫画として紹介して頂いた
『夜光虫』(篠原とおる/原作・柿沼宏)というお話を手に入れました。

もぅ、このマンガがつっこみどころ満載!というか(^^;
すごく面白いんですが(ヒロインはかっこいいしね〜)とにかく、
『BJ〜』のようなお話では一応、ありません。
(もしご機会があれば手にとって頂いても損はないと思います。)

しかし奇しくも、というか医療現場を舞台にすれば当然のことなのか
医師に告知を迫る末期ガン患者のエピソードがあり、その言葉として
次のようなものが出てきます。(第7巻・「母の形見」)

「しかし…
自分に与えられた運命に 耐えるか絶望するかは その人の自由の筈です。
医師は神の座に つくべきではない 正直に患者に残りの時間を
告げるべきだと思います。」

これは昭和53年(1978年)に初版発行の漫画なので、当然告知は
行われない、しかも作品自体一話完結のため非常に短いページ数で転結を
まとめなければならず、病状や治療についての描写も全ての話が克明に
行われている訳ではない、しかしここで解答がズバリと出ている。
そのことに驚きを禁じ得ません。

では、第64話の感想に今回もおつきあい下さい(^_^)。


・事件は会議室でも起こります

辻本・夫さんへの告知の勧めを、庄司先生は研修医の言う事だから
気にしないでほしいと一蹴しようとする。
迷っている人間には、こういう役割の人も必要ではあるのだ。
でも。

告知が行われないのは……誰も責任を取りたくないから。

(わたしは、どちらの情緒も未成熟ゆえ告知が行われないのならば、
診る側診られる側共に成長するのが理想だと思います。

なぜそうならないのか、なぜ告知の前で立ち止まらざるを得ないかと言えば、
死について考える機会や機構そのものがこの日本から欠落しているからだと
言えなくはないでしょうか…。)

・ダブルバインド

しばりつけたいの?
あばれさせたいの?

エゴがむきだしになるのが恋愛の場だ。


さて、ちょっと本筋を外れるけど、お楽しみvoteとして、
皆さんはカオリさん派、皆川ちゃん派?
「姉さん女房推進委員会」のメンバーのわたくしといたしましては
(ないってそんなもの--;)やっぱカオリさんにいっぴょうかなあ。
今の所、今の所ね!
脱線、失礼しました。

・たったひとりの告知

庄司先生の賛同が得られないまま、ついに斎藤くんは辻本さん本人への
告知に踏み切る。
(ここで辻本・夫さんが斎藤君の求めに応じて妻を連れてきてしまうのは
押し切られてというよりもそれが本音中の本音だったからであろう。人は
裏切ること騙すことに耐え続けられない。)
一人で決断したのにはぎりぎりまで庄司先生のOKが取れなかったから
だろうが、恐らくは全てを自分ひとりの責任とするために。

言えるか?斎藤くん。
君がいない、探す、みんなが探している。

そして仰ぎ見る、どこかで何かが起こっているから。

自分に与えられた運命に耐えるか絶望するかは、その人の自由…。

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