『ブラックジャックによろしく』によろしく
第66話(がん医療編・25)「正直さの代償」
2003/09/16
皆さんお元気ですか、えれです。
連休はいかがお過ごしでしたか。
この数日、私の頭には何度も『逃亡』の二文字が(^_^;
ウソですよ…(でもちょっとほんとう)。
さて、キューブラー・ロスの『死ぬ瞬間』届きました。
まだ読んでいる途中なのですが、やはり私は自分の(病気の)時のことを
考えました。
ロス女史は、大切なのは「告知の是非」ではなく告知が「どのように行われるか」
だとおっしゃっています。
その中で重要なのが、
・病そのものを治す努力
・いかに死を迎えるかの努力
(患者がどのような死を迎えられるか(迎えたがっているか)それを理解し
それに沿う為の努力)
この二つが同時に行われることだと。
(特に、病を治す努力は、患者に「あなたを見捨てはしないんだ」という
医療者側のメッセージを伝える意味でもとても重要です。)
私は、心の内を悟られまいと必死になりながら、いつも助けだけを求めていた。
私は、病が見逃されることを願いながら、いつも自分を見失って欲しくないと
願っていた。
振り返ってみれば、辻本さんは、二人の医師のどちらの態度に感謝するのだろう。
ただ一つ、庄司先生は、斉藤くんにより全身転移の事実が告げられた後は、
それ(病状)に対する否定の態度は(そんなことはウソだ、とか)
取っていないんですよね。
・カルテの改ざん
多分多くのかたが気にされているポイントはここだと思うんですけど。
実は私、アンタにしちゃよく考えた、と思って(やばっ@_@)
実はここの箇所は、第4巻で承諾書なしに弟くんの手術を決行しようとする
というシーンがありますから素質は十分、というかもう立派に前科はあるん
ですよね。
何度も言うけれども斉藤くんが苦しまなければならない訳は、今までに
死を学ぶチャンスが多分なかったからなんだよね。
独自の取り組みをしている学部・医療機関もあるのでしょうが、
本来、医者になるものはすべて要求していい権利だと思うのだけれど、
いや、それなしに医者になってもいいものなのだろうか…。
・自分の事しか考えてない
皆川ちゃんにとって、患者の利益を優先する斉藤くんは、もう立派に
自分や周りの利益を度外視する存在なのである。
本来病院は患者の権利が優先されて(医師やスタッフの都合ではなく)
当然な場所な筈である。そのように行動した斉藤くんに対する言葉が
「自分の事しか考えてない」だとしたらこれはずいぶんな話なのである。
「周りがどうしてほしいか」の周りに患者が入っていないとしたら、
悲しいけれどこれは弟くんの命を救おうとした皆川ちゃんからはどんどん
離れていっていると言わざるを得ない。
斉藤くんが「周りとうまくやる」には今の斉藤くんでなくなるしかない場合、
一体どうしたらいいのだろう?
「ずっと一緒にいてくれたら」
気持ちはとてもよく分かる、けれど
何かを要求した時から、それは愛ではないから、だから
本当に強いのは、「約束はいらない」と言える人だから、
だから。
(おまけ)
すいません、ちょっと本筋に関係ない話します(^^;
今回斉藤くんが自宅で着ているシャツ!このシャツが気になって仕方ない。
これがなかなかおされさんなシャツなのである。
こんなのこいつが自分で買う訳ないから皆川ちゃんのプレゼントである、
という説と、
こういうタイプは学生の頃買ったシャツとかずーっと着てるよ、だから
これ推定6年もの、とか意見は紛糾してるんである。
でも昔、漫画家のアシスタントさん経験をしてたひとに聞いた話なんだけど、
結構「この主人公のこのシャツ、柄決めて描いといて!」とか言われるんだって。
(そのかたは結局先生が「う〜ん」と言って直されたんだそうだが)
これももしそうだとしたらこのような議論も意味のないこととはなるのですが…(^_^;
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