『ブラックジャックによろしく』によろしく
第72話(がん医療編・31)「誰もしない『仕事』」

2003/11/18

皆さん、お元気ですか?えれです(^_^)。
さて、なんだか斉藤くんが、医者らしくたくましくなってきたように感じられる
今日この頃、(私だけ?)皆さまいかがお過ごしでしょうか。

さて、今回のエピソードを読んで、私には思い出した物語が二つあるのです。

それは私の大変尊敬するお二人の(もうこのお二方だけで私の尊敬する人五本の指
に入ってしまいそうなのですが、)漫画作品で、
樹村みのり先生の『星に住む人びと』(秋田書店刊)と、
内田善美先生の『星の時計のLiddelle』(集英社刊)です。
(残念ながらどちらも絶版です。樹村作品の復刻に力を入れているヘルスワーク出版
さん、『星に住む人々』も何とかしてもらえませんかねぇ(^_^; 
なお、参考?として星野之宣先生の『世界樹』(メディアファクトリー刊『残像』所収)
もあげさせて下さいね。この世に”世界樹伝説”はたくさんあるのでしょうが、
これも今回懐かしく読み返したので。)

『〜Liddelle』についてはもしよろしければ拙コーナーの「読書の森」
を参考頂くこととして、『星に住む人々』について少しお話させて頂くと、
星の光というのは遅れて届くものである。つまり実際に今私たちが目にしている
その輝きは現実にはずっと過去のものである。(もしかしてその星ははるか彼方で
もう燃え尽きているかもしれない。)
だがこれは地球とその星とを逆にした場合でも同じ事である。
つまり同じ光年の距離を離れた星から見た地球の姿は、はるか昔の、まだわたしたちなど
存在もしない地球の姿かもしれない。その星から目にする地球では、わたしたちにとっての
”過去”すらまだ起こっていない…。
つまり。

・不死は幻想か?

誠に勝手な話ですが、私は内海まどか嬢に大変親近感を感じています。
最近どうしているのかな?と思っていた彼女が登場してすごく嬉しかったのですが、
彼女に辻本さんが語る一本の木立 = (多分)世界樹の話は、生易しく受けとめる
ことはできないものでした。

・悲しめる人よ

”今”が永遠に続いたら、それは確かに苦しいことでしょう。
それでもなお、ひとは別離や死のない世界に憧れ、苦痛のない世界を夢想します。
まるで永遠の命を夢見るように。

わたしには、かつて、ながく共に過ごしたいと思った大事な友人がいました。
けれど彼といつか別れなければならないことは、出会った時から、
心の底から分かっていました。

もういちどあなたに語りましょう、悲しめる人よ、わたしを救ってくれた
大事なひとよ。

『星の時計』の中では、いつも”今”です。
わたしたちが話したこと、悩んだこと、語って作り上げたこと、それは
永遠に変わらず、その”時”と共にある。
わたしたちは何も失ってはいないと信じてください。

確かにその”時”があったことが、今のわたしを強くしてくれているのだから。

星の時計の中では、いつも、今だよ。

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