『ブラックジャックによろしく』によろしく
第81話(精神科編・2)「記者よりの宣戦布告」
2004/04/06
「記者よりの宣戦布告」
母上さま、お元気ですか。
まさかこの歳になってまで永井豪せんせいの連載漫画を読むことになるとは、
えれはあの頃は思いもしませんでした。
なんてね(^^)。
皆さんお元気ですか、えれです。
暖かかったり寒かったりでつい体調を崩しがちなんですがみなさまはいかがで
しょうか。
では、今回も感想におつきあい願いたいと思います。
なお今号も医療監修者の名前は無しです。
・不思議の国のアイツ
「研修医の目を通して見た精神科の世界を…」
斉藤くん、今までの数々の実績(?)を見込まれてしまったのでしょうか、
本人からしたらびっくりするような事態が待っていました。
頼みの綱の伊勢谷先生も取りつくしまがなく、することがありません。
(しかしここらへんは本当に上手いですね。ちょっと感想から離れますが)
この病棟の内部は、昔あるカメラマンの写真展で見た精神病棟を思い出させます。
(精神病棟ばかりを写した写真展ではなくてその内の2枚。もちろん海外。)
それにしても「将来精神科医になるつもりはありますか」というのは
重い問いですね。
今後、研修医はスーパーローテートで全科まわることになったそうですが、
私は、この科に限っては精神科医になろうなんて人はもう大学に入る前から
そう決めているほうが多いのでは? と思っていたのですがそういうもんでも
ないのかな。
・大日如来か不動明王様かと思った
いや、案外そうかもしれないよ。
(余談ですが「誰も知らない知られちゃいけない〜デビルマンは誰なのか〜♪」
と歌っている人のそばで「不動明だよ!」と朗らかに言ってやると思いっきり
嫌な顔をされます。皆さんも機会があればぜひお試し下さい。
別に今回は永井豪せんせい新連載記念フェアじゃないんだけど…ごめんなさい。)
・緩和ケア科へおいでよ
(ところで、庄司・宇佐美両先生が出てきてくれてうれしかった)
先輩からこんなことを言われたらすごくうれしいだろうな…
冥利に尽きる、というか。
確か第一外科のときも白鳥先生からそう言われていましたね。
十分幸せなことな筈なのに、斉藤くんの心は答えを出すにはまだ早いのでした…
・保護室にて
今回この頁を書く前に、私にはどうしても行っておきたかった所がありました。
結局行けませんでしたが。
私は昔ある大学病院のそばに住んでいました。(随分色んなところに住んでるな
と思ったかたもあるかもしれませんが、ちょっとだけね、^^;)
通りをはさんで向こう側に外来と各科の専門病棟があります。
そしてこちら側(この建物の前の道が私の大好きな散歩コースだったのですが)、
林の梢の奥にもうひとつの建物があります。
向こう側は外来があるせいもあってかとてもにぎやかです。
が、こちらは車の出入りも少なく、ひっそりと静まり返って、まず病院の名は
出ているのに科の名前が出ていません。
私はそこを通るたびになんでここからはほとんど物音がしないのか不思議に
思っていました。
あの病棟がなんであったか、気づいたのはずっと後のことでした。
・ペンは剣よりも、そして法よりも…?
もしも罪を犯した人間が、精神病と診断された、もしくはそうではないかとされた
人間であったとすると、これはあっという間に「精神病患者は犯罪を犯す」という
図式に変換されてしまいます。
確かに漫画では強調されて描かれているかもしれません。
でも誰がいつ、どういう目にあうかなんて、わからないのです。
特に私なんか何度も夫を絞め殺そうとしてますから誰かにこの現場を見られたら
とっとと病院に収容されるのはほぼ確実です。(くわばら、くわばら!)
「”表現”によって何かが変えられるのか」。
なぜあの病棟は、とても静かだったのか、今少しそれを、考えています。
戻る