『ブラックジャックによろしく』によろしく
第83話(精神科編・4)「待った女,待つ男」

2004/04/20

「待った女,待つ男」

境界がぼやけていく。

境い目があいまいになっていく。

自分が流れ出す。

…ああ、なんでヤッちゃうの。

すみません、えれです。
皆さんお元気ですか。

さて、今回は突然行きたいと思います。
どうか皆さん今回もおつきあい下さい。


・良い人間になれません

ぬくもりがないよりはましだからというのでしょうか、
皆川ちゃんは自尊心ある態度をとれません。
簡単に許してしまいます。(下着のリアルさが痛々しい)

でも苦しみが増すほどに鋭利な美しさが増していくというのは
不思議なことです。

そして斉藤くんは…斉藤くんは…

つまり拒絶や決定的な対決の回避は、彼に安心感を与えるので、
それを幸福や安らぎと錯覚させるというわけ。
(やっぱりちょっときびしかったかな)

まぁまず一体いつ恋におちたんだとききたいけどね。

(「可愛そうな人が好きなんでしょ」という科白は、白状すると
今回ピンとこなかった。うん、よく分からなかった。)

・今だってつらい

永大のシステムが正しいか間違っているか、
小沢さんと伊勢谷先生の間に信頼関係という絆ができているかどうかは別として、
感じるのは小沢さんには今頼れる人が他にいないということ。

私が危惧している(あるいは悩んでいる)のは、「ちょっとおかしい」は
流行(言葉は悪いけど)するかもしれないが、「本格的におかしい」からは
皆逃げるということなんだ。

こうなると大抵危害を加えるの加えられないのという話になるんだけど、
おかしさを矯正するのでなくおかしくても居場所のある世の中にならないかな…

・ここは地球のすみっこ

ねえ、私はおめでたい人間だよ。
『荒波にかかる橋』のようになりたかったのに、
悪意でなくしたことでもそれが誰かを傷つけたなら
それは同じことなんだ。

人間は一人一人違うはずなのに、それでいて行動はびっくりするほど
似ている。
そしてそれは追いつめられた時ほど顕著になる。

「僕はちっぽけな存在だ」
芝生に寝転んで斉藤くんは思う。

でも次に斉藤くんを待っているのはそれすらも追いつかないほど、
言わば自分の全部を裏返しにされるようなこと。
(予告を信じるならば、だが)

知らず摩擦を避けてきた彼に、耐えられるかな、それが。

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