『ブラックジャックによろしく』によろしく
第97話(精神科編・18)「新聞の作り方」

2004/08/24

子供の頃望んでいたことって何だろう。
大人は皆正しく、頼りがいのあるものと信じていた。
正義は行われて当然のものだった。

しかし今自分が大人と呼ばれる年齢になって、例え年は重ねても
一人の人間がいかにもろく、弱いか(…それはどちらの方向にも…)
知るのだ。

その弱さの中には、自分が間違っていることに気づかない愚かさ、
つい何かのせいにしてしまう卑怯さ、というものもあるだろう。

私が大人になって良かったと思えるのは、せいぜいつらい時に
気を紛らわすバリエーションが増えたこと、それぐらい。

それでもいつか思えるのだろうか。大人になって良かったと。

皆さん、お元気ですか? えれです(^_^)。
夏風邪などひかれてはいませんか?
気温の寒暖の差が激しい時が一日ほどあって、私は見事にやられてしまいました。
どうか、皆さんも、お体にはお気をつけ下さいね。
夏の風邪は…凶悪です(^^;

さて、今回もどうぞまたおつきあい下さい。
ある意味今週は前回より読むのがきつかったな。


・新聞の作り方

実際、本当に新聞がこうして作られるのだとしたら、大変ショックです。

人の渦の中に呆然とたたずんで、
「この流れは 自分1人の力では止められない」と言う門脇さんの姿は、まるで
「この戦争で日本は負けます」と言ってるようなものなんだ。

足並みを揃えることや、他メディアに先んずることで、「義憤に燃える」なんて
ことは忘れるのか… それともこんな言葉自体が古いのか。
これはあの事件を読み間違えていた自分へのいましめでもあります。

みんな答えを知りたい。
「何かのせい」ということになれば安心するし、とにかく自分たちとは関係ない
と納得したいから。

でも、何かを憎むことが、身代りですか?
報道の使命は、やり場のない怒りをぶつける対象を用意してあげることですか?

報道に携わるかたには、本当に、自分の意見が世の中を左右する影響力を持つことを
感じ続けていて欲しいのだ。

誰を信じればいいのか。
あなたは、私に、自分を信じろと言ってくれますか?


・今言わないでどうするの

そして斉藤くんたちは、自分たちに何が起こるかはまだ知らないのだ。

私は「がん編」で辻本さんが最後の眠りに落ちるところを思い出す。
今までと違い、これは死との戦いではなくて、偏見との戦いである。


それでも本当は思ってる。大人になって良かったと。
私は自分の意見を言い続けるだろう。
紙飛行機を百飛ばせば、八十は(あるいはもっと多く)下に落ちるかもしれない。
でも残りの二十(あるいは少し)はどこかに届くかもしれない。

飛行機を飛ばし続けよう。
抵抗し続けるのが願いというものなら、私は願い続けよう、
信じ続けよう、必ず変わる、と。

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