『ブラックジャックによろしく』によろしく
第98話(精神科編・19)「止まらない、止められない」
2004/08/29
皆さん、お元気ですか、えれです。
さて私は前々回のお話で「絵(画)」の力というものをいやと言うほど
知りました。前回、今回もその驚きは続いております。
もちろん、関係者が背負わされた苦痛、苦しみから見れば現実的でない部分も
あるのでしょうが、私個人はそれさえ知らなかったのだから、
やはり凄いと言わざるを得ません。
それでは、どうぞ今回もおつきあいください。
少し楽しい話もできればいいのですが、それはまたいつか、今度ね(^^)。
・余波
加害者であった男が精神科に入退院を繰り返していたことは各種メディア
によって一斉に報じられはじめた。
永禄大の精神病棟でも動揺は起こる。
そして一人歩きを始める「精神病」と言う言葉は、誰の胸にも無いことにしていた筈の
不安を駆り立てる。
2001年の事件では、実際の加害者は犯行当時、精神病の症状はなく、責任能力も確かに
認められるとして(つまり病歴と事件とは無関係と判断された上で、)死刑を求刑されて
いるが、そのことを一体何人のひとが知っているだろう。
私も、つい最近まで(この漫画を読んで色んな資料にあたるまで)、
このことは知りませんでした。
また、これはよくあることなのでしょうが、
「心神耗弱状態で、事件時刑事責任能力はなかった」とする加害者側の弁護内容も、
精神病やその患者、家族、医療者たちにとって、
国民感情という世間からの新たな風当たりを引き起こしかねないのではないでしょうか。
(つまり殺され損、言い逃れなどの言葉。)
彼(作中の)に裁判を受けさせることができるかどうか…も鍵ですね。
(多分このへんのしくみも、だんだん作中で明らかになっていくでしょう。)
精神病を取り巻く諸問題は普段はまるで無いことのように取り扱われていますが、
(最近この傾向が変わって風が吹いてきたような感もありますが…)
何かあった時だけ思い出したように取り上げられ、改悪されていく、そんなような
気がしてなりません。
・水の中へ沈む
私は被害者側にあえて触れていないわけではありません。
不運だったと言う言葉などで片付けられることではありません。
私にも愛する対象があります。
もしその誰かが被害にあったら…例え体は傷つかなくとも受けたショックは
一生体の中から出て行かないでしょう。
そしてそのまま生き続けることがどんなに苦痛か。
加害者が悪いのは当然です。
何かを憎まなければ(憎んでも)生きていられない時があることも知っています。
しかし、精神病と犯した罪への相関関係がはっきりしない限りは、
(いやはっきりしても、)他の患者たちを同じ目で見るのは大きな間違いが
あると思うのです。
そして小百合ちゃんは(二重のショックからか)失調する…
小沢さんは退院できるのか、そして、
伊勢谷先生と斉藤くんは、患者たちを守りぬけるのでしょうか…。
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