『ブラックジャックによろしく』によろしく
第110話(精神科編・31)「もう、妖精は来ない」

2005/02/23

確かにかつては優しい時間が流れたこともあったのに、
どうして彼らはこんなにも追いつめられていくのでしょう?

このおばさんの意見は確かに極端かもしれませんが、
同じようなことを考えている人は実は多いものなのではないでしょうか。

私はもつい先日似たような意見を間近で耳にしました。
でも、それに対してなにも言うことはできませんでした。
本当は言いたいことがたくさんあったはずなのに、直接の対決を避けたのです。
言わば相手に対してそれほどの(言い合いをするほどの)関心も愛情も無かった
ということなのですが、それよりもまず言う勇気がなかったのです。

本当は私こそが言いたかったのかもしれません、「狂っているのはお前だ」、と。

そうして、「妖精なんているはずない」という言葉で早川さんは最後の行き場を
失います。

ぎりぎりまで無抵抗をつらぬいていた小沢さんは、自分の大切な人が倒れて初めて
相手に牙をむきます。
本当に、彼らはどうしてこんなにも追いつめられてしまうのでしょうか?

(今回短くて本当に申し訳ありません。)

* * * 

間が開いていますのでちょっとだけ先を予測してみました。
もし小沢さんがこの件で告訴されたら統合失調症の患者であるということで
精神鑑定を待つことになるかもしれない。
しかし犯罪が病気より発生するのではないという主張を通すには
(精神疾患の患者に対する偏見を防ぐためには)
きちんと起訴され裁判を受けねばならない。
この場合小沢さんは犯罪者になるのだ…
いずれにしても厳しい道だと思います。(2005.3 追)

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