『ブラックジャックによろしく』によろしく
第111話(精神科編・32)「約束の場所」

2005/03/20

ストーリーの進行状況に合わせて、そろそろ壁紙も変えたいと思いつつ何もやってないな、
えれです。
皆さんお元気ですか。
約ひと月ぶりの更新です。

さて、今回の話までで多分11巻の収録分となると思います。(その前の章になるかもしれませんが)
読者としてはここで切られるというのはかなりつらいものがあるとは思いますが、
(いわゆる“ひっぱる”というやつですね)まぁ、これは仕方ないですね。

精神障害者も対象として逃れ得なかったナチスドイツの『夜と霧政策』と、
「遺伝病子孫防止法」「国民血統保護法」「婚姻保護法」については、
北杜夫先生の『夜と霧の隅で』が非常に参考になると思います。
(私も読みました。)

統合失調症が脳の病気であるのならどんな病気に対してもそうされるべきであるように
対策のための措置や委員会が設置され、それにともない偏見に対するキャンペーン等も
はられるべきです。
とにかく今からでも『心身喪失者等医療観察法案』は取りやめられるべきだし、
(一度通った法案を取り消すのは多分無理なんだろうけど)
国の支援が最も必要なことは言うまでもありません。
(厚生労働省の『心のバリアフリー宣言』だけではまだ足りないと思う。)


さて、この感想内では今までショッキングな内容をショッキングである、とあまり言わないで
きたような気もするのですが、それは何も感じていないという訳ではもちろんありません。

早川さんをしばる拘束具からは正直目をそむけたいです。

昔私は「サッコとヴァンゼッティ事件」を題材にした樹村みのり先生の作品『あざみの花』で
初めて詳細な「電気椅子」の図を見たとき、漫画家とはここまでやらなければならないのか、
と驚きとともに非常なショックを受けました。
才能を持った人はこんなに責任を負わねばならないのかと。
それは恐怖でした。
今回もそれと似たような感情を覚えました。

(まさかここで言うことになるとは思いませんでしたが私はすべての精神医療に携わる人に
いや、できるだけ多くの人に樹村みのり先生の作品を読んで欲しいです。(できればすべてを)
絶版が多いのが難点ですが、一部の作品はまだ読むことができます。先生の作品を再販している
ヘルスワーク出版さんにはぜひぜひまだまだ頑張って欲しいです。)


さきほど国の支援が必要、と書きましたが、もしそれがあまり望めないのなら誰かが描かねば
ならないのです。
昔どこかで言ったように、漫画家や作家は現代のシャーマンです。


そして、今まで長くこの作品を読み続けてきましたが
どんなときも希望のない終わりかたはなかった。
それを信じています。

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