とても感動しているのに、私の心はこわばって、うまく書くことができない。 小沢さんに訪れたものは、病いも恩寵もそして悲劇も門脇さんが記事にまとめた通りのことだ。 昔私は、色んな人があげている信号を見た。かかげている火を見た。 いや、見たような気がするというだけかもしれない。 でも確かにそれはあった。 私はたくさんの場所にその跡を見つけた。誰かが残していった跡は私をとらえた。 その中には、今この時を生きている人も、もうこの世を去った人もいた。 それらは隠されたり、ひっそりと生き残ったり、また大きなムーブメントを起こしたりと、 さまざまな経路をたどっていった。 私が気づかない同じような努力もあっただろう、知らない軌跡もたくさんあるのだろう、 しかし私はそれを確認するたびに、また見失うたびに、ここにもいる、ここにもいます、 気づいた私がいます、と伝えたかったのだ。 受け取った小さな火をけして消したくない。 そして私も火をかかげる人になりたい。