『ブラックジャックによろしく』によろしく
第125話(精神科編・46「ピーターの帰還」)
2005/10/29
もしかしたら人生は、そしてこの世界は、失われようとするものとそれを繋ぎとめようと
するものの戦いなのかも知れない。
斉藤くんの研修医としての日常は続く。
何も変わりはしなかったんだとでもいうようにピンポン玉は飛び交う。
新聞も発行され続ける。
多分多くのものは変わらなかった。
精神障害者に対する見方も一般に多くの誤解を残したまま日々は流れていくのだろう。
門脇さんやみんなが目指したことは無駄だったのだろうか。
しかし今さらこんなことを言うのもなんですが、
「表という概念は… 裏がなければ成立しません…」
と言った時の種元記者の顔は、やはり優しく見えました。
そして、まるで共鳴を起こしているような早川さん(と小沢さん)の夢に、また新しい希望を
感じてしまってやまない。
斉藤くんがこの後どうするのか私には分かりません。けれど、今まで「先生のような医者になりたい」
と彼がはっきり口にしたのは今回が初めてではないでしょうか。
(間違いがあったら指摘お願いします。)
「まぶしいな…」
まぶしいのは、きっと外の光だけじゃないよね。
そうして小沢さんは目を覚ます、崩れ去ってゆこうとする理想と、何かを引きとめようとする力が、
同時に存在するこの世界で。
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