暁はただ銀色〜少年ドラマシリーズは今もエキサイティング!

2000/09/09

夭折した少女小説家に高谷玲子さんという方がある。
彼女の残した3つの物語のうちの2作は(というのは
もう1作は未入手である為)私の宝物である。

だが、これはメインではあるがまだ入り口の話。
何故これが少年ドラマシリーズと関わりがあるのか。
今回思い立って「高谷玲子」をキーワードにYahoo検索を
試みたら、ヒットしたサイトは(まずヒットするとは思って
いなかったのだが)ほとんどが「NHK少年ドラマシリーズ」
を扱ったページだった。
高谷作品は少年ドラマシリーズの一編としてドラマ化されているのだ。

「マリコ」が(高谷作品のドラマ化時のタイトル)NHKで
放映されていたことは知っていたが、まさかあの少年ドラマシリーズ
だったとは思わなかった。
作品一覧を見ているうち心は一気にあの頃へと飛んだ。

少年ドラマシリーズは(うーん、長いね^^;何とかいい略し方は
ないものだろうか?)
1972年1月1日から第1作「タイムトラベラー」(原作:筒井康隆
「時をかける少女」)が放送を開始している。
これもあまりにも有名な話。
その後、海外の秀作ドラマを織り交ぜながら(こちらも忘れ難い
名作が多かった!)次々と佳品を放送し続け、その数は全99作に
及んだ。

「暁はただ銀色」
「ぼくがぼくであること」
「なぞの転校生」
「まぼろしのペンフレンド」
「兎の目」(銀河テレビ小説だと思っていました--;)
「未来からの挑戦」
「赤い月」
「七瀬ふたたび」
:
:
(書ききれない)

今でもSF作品を懐かしむ声が高いようだが児童文学・青春小説を
原作とする「巣立つ日まで」のような一群も大変素晴らしかったと思う。

私が記憶があるのは74年の「夕ばえ作戦」頃から。
びっくりしたのは「11人いる!」(原作:萩尾望都)もこのシリーズ
の中で放映されたことだ。
私は子どもの頃幸い(というか何と言うか…理由は後記)この放送を
見ることができたのであるが、お正月であったということと全一話
であったことで(少年ドラマシリーズはほとんどが複数回の放送であった。
これを読むまで最短は全三話の「ユタとふしぎな仲間たち」だと
思っていた。修正せねば。ところで高校の時国語の先生が三浦哲郎の
作品は「忍ぶ川」以外はあんまり…てなことを言って、先生、
「ユタとふしぎな仲間たち」がありまっせと心の中でつっこんだのは
すべてこれのせい。すんませんまた脱線しちゃった…)
「11人いる!」は特番か何かだと勘違いしていたらしい。

ちなみに内容は、全て日本人が演じるコスチュームプレイであった。
日本人なのに、金髪のカツラで、どう見ても女の子なのに「俺は男だ!」
と叫ぶヒロイン・フロル。
子供心にとてもとても変な物を見たと思った私は、結局その後
萩尾望都大ファンへの道を歩むことに(いや、そこから原作にたどり
着くまで5年くらいかかってるんですけどね--;)なるのだった。
のちに諸先輩方から聞いた所によると、主演の山城はるかさんはSKD
か何かの方だったそうです。
このTV化された映像から萩尾作品へと入ったという方は他にあまり
聞いたことがないです。
(でもやっぱり私も少年ドラマシリーズに人生変えられてたのね、とほほ(T_T))

肝心の「マリコ」は見た記憶がない。
その前後の作品については覚えがあるのに、とても残念なことである。
このマリコ役を演じたのが第一回作品「タイムトラベラー」でもヒロイン
芳山和子役を務めた浅野真弓さん(改名する前は島田淳子さん)であること、
現在は柳ジョージさんと結婚されていることなども初めて知った話である。

また、「汚れっちまった悲しみに…」の中原中也の詩が印象的に使われる
「巣立つ日まで」(仲間の中の女の子の一人が手術の跡をボーイフレンドに
見せるシーン、呆然と見つめる男の子の顔がすごかった)には玉川紗己子
(当時は砂記子)さんも出ていたのだ、とか「これがあれでそれだった」
というのを知るのは(しかしなんで事象を全部バラバラに覚えているのか…)
非常にエキサイティングなことであった。

このような想い出は、ほんの一部である。
少年ドラマシリーズのことはとてもかいつまんで話すことなど
できないのだ。

なお、このサイトは音源も豊富で、私は城達也さんの渋いナレーションや
「巣立つ日まで」「長くつしたのピッピ」の主題歌を涙を流して聴いた(TT)
(他も聴きたかったが plug-in がぶっこわれた)

気が付けば外は白々明け、そう、暁はただ銀色…



「少年ドラマシリーズ」に関する詳しいサイトは

http://www.asahi-net.or.jp/~hh2k-nnmy/Index.html

高谷玲子「静かに自習せよ」他を含む秋元書房の出版物に関する素晴らしいサイトは

http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Kaede/8456/index.html

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