男の天使が地上で水浴びをしていると、いつのまにか 仲間は皆天上に帰ってしまいました。 そこを通りかかった村の娘は脱いで樹にかけてあった 天使の着物を見つけました。 「あんただーれ?」 「わわっ(ハダカを襲われたので天使はあせってしまいました) 私は天使です」 「ていしゅ?あんたあたしの亭主になってくれるの?」 「いやそうじゃなくて、服、私の服は…」 「へっへっへ」 娘はずるがしこく天使の着物を後ろにぱっと隠しました。 天使はというと、(もちろんハダカなので泉から出れないんですね) 頼みになる筈の仲間は周りに一人もいません。 「返して下さい、それが無いと私は、私は…」 「大事な所が隠れないってか、わはは」 「ヒドイ」 天使は高潔な存在なのでこのような言葉はとてもショックなのです。 「大丈夫大丈夫、仲間に置いていかれてもあたしが面倒みるから」 こうして、天使は泣く泣く娘の夫となり、娘は三食昼寝つきで幸福 に暮らしました。 めでたしめでたし。 以上、「真・羽衣伝説」 終り