点子ちゃんとアントン
(と、千と千尋の神隠し)

2001/08/08

(注・ネタばれちょっとだけあります。)

さて、「点子ちゃんとアントン」と「千と千尋の神隠し」を観て参りました。

「点子ちゃんとアントン」は今から70年も前に発表されたケストナーの
お話です。行く前にどういう内容か同伴者に説明して行きたかったのですが、
私も読んだのが25年くらい前なので(……)いかんともしがたく、自分自身
見ている内に思い出したという始末(^^;

ヒロインの点子ちゃんは本当はルイーゼという立派な名前があるのですが
二、三歳まで点のように小さかったため「点子ちゃん」と呼ばれています。
もう、この日本語訳は本当に最高! ドイツ語の「点」(puncktchen 本当は
uの上に点々があります)の発音と日本語の「点子ちゃん」の発音とはとても
近くなるのですね。

この、お金はあるけど愛はない家の点子ちゃんと、一方母子家庭でお金はない
けど愛だけはいっぱいある家のアントン、この二人が大親友で、点子ちゃんは
病気のお母さんの代わりに働くアントンを何とかして助けたいと頑張るのですが…
というお話。

全体としては、泥棒退治の場面がちょっとはじけ方が足りないかな、など小っさな
不満はあるのですが、地下鉄のコンコースで点子ちゃんが歌う場面の楽しさ、アイスの
販売カーを運転して(!)父親を探しに行こうとするアントンのいじらしさ、など
見所はいっぱいです。(お手伝いさんのベルタが「エーミールと探偵たち」の映画を
見に行って終ってますよと言われるシーンにはにやり!この時受け付けのお兄さんの
後ろには、はっきりと写らないがあのトリヤーの有名な表紙のポスターが貼られて
いるのだ!)

そして、オープニングのトランポリンでぽーんぽーんと跳ねるシーンには
最初からぶびょいっと涙が出てしまいました。単純な躍動の根源的な喜び…
なんてことは説明しなくていいのです、が、命は本当ははずむものなんだよ、
と言われている気がして。

結構一人で見に来ている五十代くらいの男性がちらほらと見受けられたのですが、
子供の頃ケストナーを読み漁ったクチなのでしょうか?

最後に、点子ちゃんは海に入れない理由を「胸がいっぱいだから」と答えますが、
これは大人になったから、ということだったのかなぁ。
テーマ音楽が今も頭から離れません。

さて、「点子ちゃん」が愛知でも一館上映なのにくらべて「千と千尋」はもちろん
すでに大ヒット作。
こっちは私のカンでは面白くない筈だったのになー(何言ってんだヨ)、泣かされて
しまったのでくやしいいい〜。
でもとにかく、前の「もののけ姫」が私にはぴんとこなかったので(なんだこれと
いう感じだった。こういうことは言いにくい…)面白かったからウレシイ。
でもあの両親はなんてノーテンキなんだ!(-_-;)。

それから、すごく気になったのが千尋ちゃんのプロポーションですねー。
頭と顔が大きくて、手足ばかりひょろりと細長くて、子供の頃本当にこういう
体型の人というのはいるので、そこらへんはすごくうまさを感じました。
さすがによく見てますね〜

ところで、「千と千尋」はご存知の通りこちらも幅広い客層だったのですが、
「点子ちゃんとアントン」に本物の子供のお客は一人もいませんでした。

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