詳細情報です |
タイトル | ほんのすこしの水 |
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著者 | 岡田史子 |
出版社 | 朝日ソノラマ |
コミックス | サン |
初版発行日 | S53/5/25 |
版刷 | 2 |
サイズ | 新書 |
ジャンル | コミック |
コメント | (収録作品)ほんのすこしの水/いとしのアンジェリカ/トッコ・さみしい心/春のふしぎ/いずみよいずみ/天国の花/胸をだき 首をかしげるヘルマプロディトス/イマジネイション/夢の中の宮殿/死んでしまった手首/あとがき 「死んでしまった手首」と「ほんのすこしの水」にはどれぐらい影響を受けたか計り知れない。別に前者は継母、また異母兄弟同士の葛藤を描いているからだけではない。もう阿修羅像はそれ以前の目では見られない。何を言ってもどうでもいいことばかり自分は語っているような気のする、ともかくこれの前には何物も存在し得ないような気のする作品群。 「むずかしいのが残っているのです…どうも複雑な性格で…」『死んでしまった手首』について補足… こんな所で申し上げるのは何なのですが、私は実人生上では文市王君の立場に当ります(全く、少しぐらいヘンになっても仕方ない事ではと共感申し上げるところです)。文市の不安として描かれていることの一つに母の圧倒的な愛情に対する怖れがあります。我が子を正嫡とする為に夫を殺害し継子である文市の兄、智努王君を追放するのですから。物語のラスト、読者は仏師である男の独白によって価値観の転換を迫られます。「あなたはよわく、しかも悪い人間でした」。それまで被害者であった筈の文市に別の見方が当てられる瞬間です。私がどうしても自分というものに信頼を持てない時、自分は裏切り、最後には人に信用されない人間だと思う時、このことがすっと理解されるのです。 |
持ち主 | えれ |
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