星界の戦旗 解説

第13話 絆のかたち(最終回)
2000/ 7/14 19:30〜20:00 WOWOW放送
Newtype AUGUST 2000(角川書店)より
 敵艦隊の集中砲火を受けたバースロイルが戦場の片隅で短い戦歴に終止符を打たれたころ、アプティック星系をめぐるアーヴ帝国と人類統合体との熾烈な攻防戦もまた、最終局面に入りつつあった。
 開戦当初、アーヴ軍アプティック防衛艦隊は圧倒的多数の敵軍に対し苦戦を強いられたが、スポール提督率いる幻炎第一艦隊の来援によって戦況は一転した。
 スポール提督は、後続の第3艦隊と連携して敵艦隊の中央突破をこころみ、一気に敵の後背まで駆け抜けることに成功する。アーブ艦隊によって陣形を縦断された人類統合体陣営では、指揮系統が交錯し艦隊運動に乱れが生じてしまう。そして人類統合体の司令部が、混乱した艦隊を再編成する前に、戦場には新たに幻炎第2・第4艦隊が到着する。艦隊の布陣も整わないまま両艦隊による挟撃を受けた人類統合体陣営には、再び瓦解した戦力を立て直すことはできなかった。
 こうして「アーヴによる人類帝国」の威信をかけて発動させた幻炎作戦は、多量の人命を失いながらも、アーヴ軍の勝利によって幕を閉じようとしていた。アーヴ艦隊司令部では、終息しつつある戦況を眺めながら、すでに次の計画に関する打ち合わせが始められていた。
 後方部隊が戦後処理に思いを巡らせている一方で、前線の将兵達は未だ死と隣り合わせの状況にあった。ジントとラフィールはバースロイル爆発の際、辛うじて救命莢に乗って脱出することができたのだが、本来は個人用の機体であるため、通常よりも酸素の残量に余裕がなかった。残されたわずかな時間の中で、ジントは初めて帝都を訪れた三年前の事を夢に見る。故郷の星が敵国の支配下に置かれたと聞いても何も感慨も抱かなかったジントはそのときから自分自身がどういう人間なのかわからなくなっていたのだった。
 バースロイルから無事脱出したサムソンたちは懸命にジントたちの行方を捜すが、戦場に浮遊する残骸が邪魔で容易に発見できないでいた……。
WOWOWプログラムガイド 2000 JULY(WOWOW)より
 ジント救出のため、1人で船内に戻るラフィール。間一髪で脱出に成功するが、砲弾飛び交う戦場。救難信号は電磁波で打ち消され、酸素も残りわずか。薄れゆく意識の中、2人は…。