独断と偏見でチョイスした、バイク関係で好きな本
ロードレースから撤退していたホンダがロードレースに復帰し、 スペンサーのNS500でチャンピオンをとるまでのドキュメント ストーリー。入交昭一郎氏が楕円ピストンを思い付くところから 第1章が始まる。それと同時にホンダV4エンジンの歴史が 始まるわけだが、VF系やVT系のオーナーはぜひ読んで みるべきだろう。
NR500をホンダのレース史上最大の失敗作と
扱う人もいるが、NR500の開発、V4エンジンの開発によって
得られた技術によって現在のオートバイが支えられている
部分は非常に多いといえるのではないだろうか。
ダウンドラフトキャブレターでさえもNRの開発で得た技術だと
いうことをどのくらいの人が知っているのだろう。
また、1980年前後のレース事情も詳しく描かれており
レースファンにもオススメだ。
「いつか勝てる」がファクトリー側から見たレースを取り上げて いるのに対し、本書は吉村秀雄という人物を中心にして プライベーター側から見たレースを取り上げている。 また、ヨシムラというトッププライベーターを中心とした 戦後のレース史としても本書は楽しめる。
ヨシムラから
ケビン・シュワンツやダグ・ポーレン、辻本聡といったトップ
ライダーが輩出されており、チーム高武主宰の高武富久美氏も
ヨシムラ出身、モリワキの森脇護は吉村秀雄の娘婿だ。
現在のロードレースを作ったのはふたりのオヤジ、
本田宗一郎と吉村秀雄ではないのか。
バイク雑誌で同じみのフリーライター、つじ・つかさ氏が 究極の2ストロークエンジン、WGPでほとんど無敵のNSR500の エンジンを徹底的に解説する。それも2ストの基礎からホントに 書いていいのか?というところまでとことん解説する。 さらに図も写真も豊富。
ホンダはプレス向けに
ワークスマシン試乗会というのを毎年年末にやっている。
それだけでも凄いのに、本書ではエンジンを中心にして
NSR500全体についても、これでもかこれでもかというほど
詳しく説明される。「いつか勝てる」とあわせて読むと
「これじゃあホンダが強すぎても仕方がないか」という
気にさせてくれるだろう。「その解決方法はシンプルだった。
フリクションに負けないだけのパワーを出したのである。」
という一文にはシビれる。
巻頭の15ページのライテク特集でブレーキングテクニックの記事。 これはライディングが変わる!いや僕のライディングは変わった! ライダースクラブ別冊の「ライテク・ハンドブック」や 「パーフェクト・ライディング・マニュアル」より詳しく、 村上編集部員が根元編集長に教えを乞う 「根本健のブレーキングを盗め」というコーナーが特に良い。
余談だが、この年の11月号くらいからRIDERS CLUB誌は つまらなくなったと思う。この号のライテクの記事の一部も 短くされて1996.1 No.261に再掲載されている。ちょっと 納得いかない。
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